本研究ではgenome-wide transcriptome profilesに基づいて、小胞体ストレスセンサーBBF2H7の肝癌促進機序を解明した。BBF2H7は肝癌組織において過剰発現し、細胞核内で蓄積することを確認した。BBF2H7の高発現レベルは悪性度の高いHoshida S2肝癌サブクラスと強い関連が持ち、臨床的に予後不良に繋がることがわかった。分子レベルの解析により、プロセシング産物であるBBF2H7の部分断片の一種がAP-1構成蛋白と競争的に結合することによって、間接的にp53蛋白の安定性を抑制した。この部分断片が新たな肝細胞癌治療ターゲットとしての可能性を示唆した。
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