研究課題/領域番号 |
16K19376
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
本間 雄一 産業医科大学, 医学部, 助教 (30620984)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 小胞体ストレス / 酸化ストレス / 肝細胞癌 / 分子標的薬 / オートファジー / プロテアソーム / ソラフェニブ / レンバチニブ |
研究成果の概要 |
小胞体ストレス誘導剤であるthapsigargin、tunicamycin、puromycinや、プロテアソーム阻害薬であるbortezomib、epoxomicin、ALLNに、ソラフェニブを併用負荷するとunfolded protein responseによるspliced XBP1の発現が減少し、レンバチニブの併用では小胞体ストレス誘導により増加した。Autophagic fluxはレンバチニブよりもソラフェニブで亢進した。小胞体ストレス誘導剤単独に比し、ソラフェニブまたはレンバチニブの併用で生細胞数は有意に減少したが、アポトーシスはソラフェニブ併用で減少し、レンバチニブ併用で増加した。
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自由記述の分野 |
肝癌細胞における細胞ストレス防御機構とオートファジーの抗腫瘍効果への影響
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
切除不能な進行肝細胞癌に対する全身薬物療法は、免疫チェックポイント阻害薬の登場により進歩したが、その効果は十分とは言えない。マルチキナーゼ阻害薬であるソラフェニブとレンバチニブは、進行肝細胞癌に対する一次治療薬である。両薬剤の使い分けに明確な基準はなく、VEGFRやPDGFRなどの受容体型チロシンキナーゼの阻害作用とは別に、両薬剤の肝癌細胞への直接作用を解明することは抗腫瘍効果の向上につながると考えられる。本研究により、従来の標的分子以外に、マルチキナーゼ阻害薬でもそれぞれ作用機序が異なることが判明し、薬剤変更は十分に意味があり、小胞体ストレス誘導剤との併用も抗腫瘍効果の上乗せが期待された。
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