わが国のANCA関連血管炎(AAV)は、MPO-ANCA陽性例が多く、高齢者に頻発する。高齢AAV患者の好中球では代表的な顆粒蛋白MPOとPR3の細胞内発現量が低下している一方で、わずかではあるがPTX3の細胞内発現量が上昇していることが示唆された。その顆粒蛋白PTX3の機能を知るため、細胞死を誘導する免疫方法を用いたマウスMPO-ANCA産生の動物実験を行ったところ、限られた条件下であるが、PTX3蛋白の同時投与によりMPO-ANCAの産生が抑制された。AAVの病因たるMPO-ANCA産生の制御因子としてPTX3分子が期待される。
|