乳児期の湿疹が食物アレルギー発症のリスク因子であることは示されているが、今回食物アレルギー発症後において、皮膚炎症状の増悪や軽快が、食物アレルギー誘発症状の推移に影響を及ぼすことが示され、感作予防のみならず既に発症した食物アレルギーへの治療の観点からも湿疹治療の重要性を証明された。ステロイドによる皮膚炎治療では、局所で誘導された好塩基球やTh2サイトカインの産生を抑制することで、遠隔の腸管粘膜で生じる症状を軽減した可能性が考えられ、今後の有効な治療介入方法の解明につながると期待される。アトピー性皮膚炎と食物アレルギーの予防、治療は、以降のアレルギーマーチの進展阻止に繋がり意義は大きいと考える。
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