カルシニューリン阻害薬は難治性川崎病に用いられるが、冠動脈病変に対する効果は明らかでない。そこで、カルシニューリン阻害薬による川崎病類似冠動脈炎への影響とその機序を調べることを目的とした。 カルシニューリン阻害薬は投与量依存的にNod1リガンド誘発冠動脈炎を増悪させた。冠動脈炎増悪効果はSCIDマウスでも同様であり、T・B細胞は必須ではなかった。また、TLRのアダプター分子であるMyD88がカルシニューリン阻害薬による冠動脈炎増悪に必須であった。さらに、カルシニューリン阻害薬が血管内皮細胞の接着因子発現を亢進させ、また、単球系細胞のサイトカイン産生をMyD88依存性に亢進させた。
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