リンパ流障害のあるマウスでは、イミキモド誘発乾癬様皮膚炎モデルで炎症の増悪、自然発癌モデルで腫瘍の増大、悪性度の上昇が見られた。しかし、イミキモドあるいは発癌物質を塗布した後の、局所における起炎症性、発がん性サイトカインのmRNAの発現には大きな差は見られなかった。そこで、局所におけるサイトカインの蛋白貯留が起きていると考え、解析を進めたところ、実際に病変局所でさまざまなサイトカインの蛋白レベルでの発現が上昇しており、その結果誘導される表皮角化細胞のSTAT3経路の亢進も確認された。 以上の結果から、リンパ流の障害はサイトカインの蛋白レベルでの貯留を来し、炎症、発癌を誘導することが考えられた。
|