我々は、難治性うつ病と神経分泌物質との関連を調べてきた。中でもIGF-1やコルチゾールはうつ病の難治化に関与していると考えられている。一方で、DHEASの関与は明らかでない。今回、91名の日本人うつ病患者において、血中のIGF-1、コルチゾール、 DHEASといった神経分泌物質を測定し、HAM-Dとの関連を調べたところ、高いIGF-I、コルチゾール、コルチゾール/DHEAS比は、高いHAM-D点と相関した。また、高いIGF-I、コルチゾールは、高いメランコリー性または自殺のサブスコアと相関した。これらの神経分泌物質の調節不全は、うつ病の重症度と関連しているかもしれない。
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