脳に放射線治療を受けた患者に遅発性認知機能障害が生じることが明らかとなり、重大な問題となっている。一方、放射線による遅発性認知機能低下の病態はいまだ不明である。先行研究によると、脳微小循環障害は認知機能障害の一因であると推測されている。また、認知や記憶などの神経活動は、神経細胞から延びる神経線維が複雑に繋がることで形成された神経回路によって制御されており、放射線照射による脳白質の脱髄、変性、再構築が、認知機能障害の一因になる可能性がある。本研究は advance MR imagingにより、照射脳の微細構造変化を検出することで、遅発性認知機能障害の病態を解明し、リスク診断の確立を目的とした。
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