本研究の目的は、ポジトロン放出核種と蛍光色素の両方で標識したマクロファージ標的イメージング薬剤DCM10を開発し、不安定プラーク検出薬剤としての有用性を評価することである。酸性条件下においてのみ蛍光を発する蛍光色素であるAcid Fluor Orange (AFO) で標識したAFO-DCM10はマクロファージ細胞および、動脈硬化モデルマウスの大動脈に高集積性を示した。また、ポジトロン放出核種である銅-64で標識したDCM10を用いてポジトロン断層撮影を行ったところ、動脈硬化好発部位に高い集積を認めた。以上の結果は、DCM10の不安定プラーク検出薬剤としての有用性を示唆する。
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