研究課題/領域番号 |
16K19862
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
嶺 貴彦 東海大学, 医学部, 講師 (00631293)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 肝がん / 血管内治療 / 血管塞栓術 / 化学塞栓術 / 塞栓物質 |
研究実績の概要 |
i) in vitro study: ポリカプロラクトン-リピオドール-ミリプラチン含浸ビーズ (新規DEB) の作製 リピオドールにミリプラチンを混合したものとポリカプロラクトンを混合して撹拌することにより,両社が混じり合い分散した溶融流体を作製した.高温環境下におけるリピオドールの酸化は特別に作成した装置を使用した.更に流体装置を作成し,溶融状態の混合溶液を,高温環境の流水によって球体に引きちぎり,徐々に流水を低温環境へシフトさせることにより,球体を固化させてビーズを作製することが出来た.流水の速度,溶融流体の押出速度を制御することにより,作製ビーズの径を変化させることも可能となった.固化の際,ビーズが球状のまま維持させるため,ミキサーを導入し,撹拌するよう行程を改善した.溶融流体にミリプラチンを混合させ,ミリプラチン含浸ビーズ (新規DEB) を作製した.今後は,チューブを流れる水の流量,単位時間あたりの溶融溶液のインジェクション量,溶融溶液の温度パラメータ調節による粘度をそれぞれ最適化し,さらなる平均粒子径の最適化をおこない,得られる粒子径分布図がより鋭いピークを有することを目指す. ii) in vitro study:ウサギ肝細胞癌モデル (VX2肝腫瘍) の作成と新規DEBによるTACE 大腿筋内VX2担がんウサギより腫瘍を摘出して肝臓へ移植し,VX2肝腫瘍担癌ウサギを作成する.そして,VX2ウサギ肝腫瘍に対して新規DEBを用いたTACEを行うことで,①新規DEBの生体内でのX線視認性の評価,②血中および腫瘍内白金濃度測定によるTACE後薬剤徐放効果の評価,③病理学的評価による抗腫瘍効果の評価を行う予定である.安定した新規DEBの供給は実現可能な段階にあり,今後は動物実験を推し進めてゆく予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度はin vitro studyを中心に研究を進めた.安定したビーズ作製のための装置作成や環境整備に想定以上の時間を要したため,着手予定であったin vivo studyの開始が遅れている.
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今後の研究の推進方策 |
本年度はin vitro studyを中心に研究を進めた.安定したビーズの作製は可能となり,この点は順調に進んでいる.しかし,同時に進行開始しようと計画していたin vivo studyにはまだ着手できておらず,次年度は動物実験を中心に臨床応用の可否の検討を深めてゆく.研究計画の大筋に変更はない.
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次年度使用額が生じた理由 |
in vivo studyに着手出来ず,動物実験に使用予定であった予算が繰り越された.
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次年度使用額の使用計画 |
動物実験を行い,必要備品,施設使用料として使用する.
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