本研究は未解決問題である慢性拒絶反応に対する治療法の確立を目指して、制御性T細胞が血管平滑筋細胞に与える直接効果を明らかにし、臨床応用へ繋げることを目指した。制御性T細胞は免疫応答を抑制することが確認されているが、血管平滑筋細胞に対する効果については不明であるため、直接の作用で血管平滑筋の増殖抑制する場合は細胞治療での慢性拒絶反応の治療に応用できると思われた。血管平滑筋細胞への反応をin vivoで評価を行うために、免疫応答のないマウスのモデルの作成に取り組んだが、残念ながらモデル作成にまでは至らなかった。慢性拒絶反応が惹起された状態で免疫応答を引き起こさないモデルの作成の方法が必要である。
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