ラット同所性肝移植モデルを樹立した上、6、12時間保存の検討を行った結果、再灌流後3時間後のAST、 ALT、 LDHは、HTK液、UW液群に比してSS-Ⅱ液群での有意な肝障害抑制効果を認めなかった。肝臓保存効果を高めるために、ヒスチジン、PEG、マグネシウム塩、グルタミン酸を添加し、SS-Ⅱ液の改良を行った。その結果改良したSS-Ⅱ液24時間保存で、最長3日間の生存が得られた。しかしながら、同条件下のUW液群では14日以上の結果が得られた。以上の結果より、肝移植におけるSS-Ⅱ液を用いた肝臓保存の有効性は確認出来なかった。肝臓保存にはSS-Ⅱ液の成分を抜本的な成分改良が必要と考えられた。
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