末梢血単核球に対する低酸素プレコンディショニングでその発現が亢進するアペリン受容体(APJ)は、老齢マウス由来の末梢血単核球ではその作用は見られず、またアペリンによる末梢血単核球からのPDGF-BB、TGF-βの分泌亢進作用も見られなかった。さらに老化した血管平滑筋細胞では、アペリンによるPDGF-BBの増殖亢進作用も見られなかった。これらの結果から、老化した細胞ではアペリンを介した反応が低下していることが示唆された。また低酸素プレコンディショニング末梢血単核球細胞移植とアペリン併用療法におけるPDGFを介した相乗的新生血管成熟化作用は、高齢患者において十分に発揮されない可能性が示唆された。
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