マウス肺がん細胞株、ヒト肺がん細胞株を用いての検討ではアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬はがん細胞が分泌する重要なケモカインCCL2の分泌能に影響を与えなかった。肺癌手術検体を用いた評価では腫瘍内のがん間質線維芽細胞の分布と喫煙に関連する因子とが関連しており、3次元画像解析ワークステーションを用いて算出された肺野における低吸収域LAAが最も関連していた。喫煙に伴う血中の炎症性サイトカイン濃度の上昇が、腫瘍微小環境におけるCAFの分化、増殖に寄与しているものと推察され、肺気腫の客観的指標であるLAAが血中の炎症性サイトカイン濃度の予測因子となり得る可能性が示唆された。
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