本研究では、脳腫瘍の定量的鑑別に有用な放射線学的指標(ラジオロジカルマーカー)を明らかにすることを目的として、2種類のMR灌流画像による悪性神経膠腫、中枢神経悪性リンパ腫の鑑別に有用なラジオロジカルマーカーの検討を行った。MR灌流画像には、毛細血管レベルの微小な局所脳血流動態と、血管透過性を画像化したものがある。その結果、悪性神経膠腫では血管透過性が低く血管床は増加、悪性リンパ腫は血管透過性が高く血管床は低下する傾向にあった。これら2つのMR灌流画像を併用することで、悪性神経膠腫と悪性リンパ腫をより高い精度で鑑別することが可能であり、本手法は有用なラジオロジカルマーカーであると考えられた。
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