本研究の目的は、全身麻酔時の人工呼吸管理中の酸素療法と、術後合併症、患者予後との関連を明らかにすることである。国内43施設1498人を対象とした横断的な研究では、80%以上で高酸素血症が発生し、特に肺手術で用いられる分離肺換気中に過剰な酸素投与に曝されるリスクが大きいことが分かった。この結果は、次の介入研究を正当化するものであり、分離肺換気を必要とする全身麻酔中において、酸素の使用を厳重に管理する方法と、酸素の使用を制限していない従来の管理方法を比較するランダム化比較試験を計画し、倫理委員会の承認を得たところである。
|