前立腺肥大症(BPH)は高齢男性において有病率の高い疾患であるが、その明らかな原因はいまだ不明である。今回我々は前立腺組織内にある神経内分泌(NE)細胞のBPHに対する影響を検討した。 ヒト前立腺組織を用いた後ろ向き検討とBPHモデルラットを用いた前向き検討のいずれにおいても、NE細胞はBPHの初期段階で豊富に存在しており、傍分泌機能によって組織を肥大させている可能性が示唆された。また、前立腺におけるNE細胞の機能解析の結果、Il-6などの慢性炎症を介した経路と、それ以外にもレプチンなどの食欲や肥満に関連した経路が存在する可能性が示唆された。
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