LNCaP細胞におけるDHTとビタミンD3のクロストークの実態の解明を試みた。解析の結果、Metallothionein (MT)遺伝子群とHOXC遺伝子群をDHTとD3の共通の標的遺伝子として同定した。MT遺伝子群はDHTとD3に共通して抑制的に制御されていたが、D3はARをも介した転写抑制機序であることが示された。HOXC遺伝子群はDHTに抑制、D3に促進的と拮抗的に制御されており、HOXCはARシグナリングを抑制的に修飾する可能性が示された。さらに、これらのDHTによる転写抑制はDNAのメチル化を介していると考えられ、D3-ARのクロストークにもこのDNAのメチル化の関与が予想される。
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