新規合成プロゲストーゲンであるドロスピレノン (DRSP)を用いてヒト臍帯静脈血管内皮細胞における接着因子発現への影響を検討した。結果、DRSP単独添加およびエストラジオール(E2)との同時添加群で接着因子のmRNA発現量およびタンパク発現量は対照群に比し有意な変化は見られなかった。さらに、flow chamber systemを用いた単球の接着実験において、DRSP+E2群では血管内皮細胞への単球の接着数が減少した。以上の結果から、DRSPの単独投与およびE2との併用は、血管内皮接着分子の発現を増強せず、単球接着も促進させないことから、動脈硬化発症に影響を及ぼさない可能性が示唆された。
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