研究課題
本研究の目的は,本邦初のマイクロ流体チップを用いた子宮がん診断のための血中循環癌細胞(CTC)捕捉システムの臨床応用である.子宮癌,卵巣癌は骨盤内に癌が浸潤しやすいため,末期での発見が多く手遅れになりやすい事などから,早期発見が特に強く望まれる.一方,既存の採血による腫瘍マーカーによる検出率は低いため,採血で容易に,かつ早期に高確率で発見する新たなシステムの確立が早急に求められている.既存のCTC検出機器は,抗体を自由に設定できず,捕捉率も悪い上に高価なため開発には不向きである.そこで本研究では,新開発CTCチップを用いた検出法の子宮がんへの臨床応用を目指している.H28年度は細胞株を用いて,子宮がん細胞の本チップにおける検出を行った.株細胞においてCTCを補足することを確認している.本邦初であるこのシステムの実用化により,既存の腫瘍マーカーで検出できなかった子宮がんが採血で容易に診断できれば,即応的に治療に貢献することができ,医学的な貢献度は計り知れない.
2: おおむね順調に進展している
本研究では新開発CTCチップを用いた検出法の子宮がんへの臨床応用を目指し,細胞株を用いて,子宮がんの本チップにおける検出を行っている.すでに株細胞におけるCTC捕捉率を確認,捕捉率向上からシステムの確立に近づいていることから研究は順調に進んでいると考える.
これまでは研究室既存の子宮がん細胞株を用いて研究を進めてきたが,今後は新規に別系統のがん細胞株を用いて捕捉率を検討,捕捉システムを改良し,様々な形質の細胞株の捕捉,捕捉率向上をめざす.
これまでは研究室既存のがん細胞株を用いて研究を進めてきており,新規の細胞株購入を次年度に行なうこととなった.データー解析について、今年度はアルバイトを雇用することなく主に研究代表者が行ったことから、人件費が発生しなかった.また購入を予定したレザープリンターについては,設置場所そのほかの事情から,やむを得ず次年度に持ち越した.以上の経緯から次年度使用額が生じた。
これまでは研究室既存の子宮がん細胞株を用いて研究を進めてきたが,今後は新規に別系統のがん細胞株を用いて捕捉率を検討,捕捉システムを改良し,様々な形質の細胞株の捕捉,捕捉率向上をめざす.作業量・データーの増大に伴い補助者・アルバイトの雇用を検討している.
すべて 2016 その他
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 備考 (1件)
Oncology Letters
巻: 12(6), ページ: 4773-4778
10.3892/ol.2016.5271
https://www.juntendo.ac.jp/graduate/laboratory/labo/kabusyoukakan/