生体内に存在しないと考えられてきたD-アミノ酸、特にD-アスパラギン酸が耳鼻咽喉科領域の様々な疾患組織に発現していることが明らかとなった。難治性疾患である好酸球性副鼻腔炎の鼻ポリープでは、特に再発症例においてポリープ中のD-アミノ酸発現が増強する傾向が認められた。また喉頭疾患においては、慢性炎症が発生母地となる声帯結節の肥厚した上皮内や、分化増殖能異常をきたしている癌腫などの腫瘍性病変にD-アミノ酸発現が増強する傾向が認められた。D-Aspがこれらの疾患の成因のメカニズムに何らかの関連がある可能性が考えられた。
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