唾液腺癌の形態機能病理学的解析を基に分子生物学的解析を行うことを研究の目的とした。九州大学病院および九州がんセンターでの症例の収集及び臨床病理学的情報の収集を行なった。進行期中高悪性度癌では術後放射線治療が優位に局所再発が少ないという結果が得られた。また、粘表皮癌や唾液腺導管癌ではPD-L1発現の頻度が比較的高く、一方で腺様嚢胞癌はPD-L2発現の頻度が高いという結果が得られた。更に、PD-L1/L2発現が予後とも相関するという結果も同時に得られた。本研究により術後放射線治療が局所制御に寄与する可能性を示し、更に免疫療法のターゲットとなり得る分子を発現していることを明らかにした。
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