ラット水晶体摘出術後の後嚢混濁(PCO)モデルの水晶体上皮細胞(LEC)で、DNAマイクロアレイ解析を行い、PC組織プロテオグリカンの1つであるデコリン(DCN)が高発現である。上皮間葉系移行、水晶体線維分化に関与する遺伝子群の上昇が生じることを明らかにした。ヒトLECのDCN遺伝子発現量と前房水DCN濃度が年齢や水晶体混濁病型、混濁程度の相関はなかった。マウスとヒトのLECの培養細胞実験で、FGF2添加により濃度依存的にDCN mRNA発現が増加、TGFβ2添加によりDCN mRNA発現は低下を認めた。その結果DCNはPCO進行過程でEMTや線維分化に関与している可能性が示唆された。
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