小腸移植では他臓器移植と比べ強い拒絶反応が生じ,その管理が問題となる.そのためカルシニューリン阻害薬(CNI)とは作用機序の異なる免疫抑制剤が求められている.今回の研究では,PAK2inhibitor/PQA-18がマクロファージ(Mφ)の機能を抑制し,CNIと異なる機序で免疫を抑制することが示された.またPQA-18投与により小腸グラフトの生着期間が延長した.PQA-18は混合リンパ球反応だけでなくMφの分化/極性化を抑制することで,ラット,さらにはヒトの免疫細胞に効果的に作用しうる.さらに, PQA-18はMφの関与しない経路でT細胞を抑制しうると考えられた.
|