敗血症時には過剰炎症により全身の血管内皮障害が引き起こされ、多臓器不全が進行する。リコンビナントトロンボモジュリン (rTM) は抗凝固作用に加えて抗炎症作用を有することが知られている。本検討により敗血症マウスと比較しrTM投与マウスでは、LPS投与48時間後の生存率が有意に改善し、心臓、肺、肝臓、腎臓の臓器障害も有意に抑制された。各臓器の微小血管の超微形態を観察すると、敗血症マウスでみられた血管内皮内腔構造の破綻やその表面にある血管内皮グリコカリックスの逸脱がrTM投与マウスで抑制されていた。以上より、rTMを投与することで血管内皮傷害から保護し、生存率の改善に寄与する可能性が示唆された。
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