超高齢社会である日本において,摂食嚥下障害の予防や治療,検査法の開発は大変重要な課題となっています.特に誤嚥性肺炎の予防のためにも,口腔衛生の専門家としての歯科の担う役割は重要です.舌はヒトの摂食嚥下運動において欠かせない器官の一つでありながら,舌自体が筋組織で構成され,形態も変化し,口腔内であることから,その動態を客観的に観察することは困難でした. 超音波画像検査は産婦人科や内科などの医科で広く普及しており,侵襲がなく,簡易で有用な検査法です.本研究で示された成果は歯科における超音波画像検査の普及の根拠となるもので,摂食嚥下運動の評価法,検査法としての今後の可能性を示すものです.
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