研究課題
若手研究(B)
臓器へのダメージを軽減しつつ、放射線の抗腫瘍効果を高めることは、口腔悪性腫瘍に対する放射線治療の重要な課題である。有望な放射線増感剤の一つが金ナノ粒子である。本研究では、金ナノ粒子が口腔がん細胞へのX線照射効果を増強する可能性があるかどうかを調べることを目的とした。結論として、AuNPとX線照射の併用は、アポトーシスの誘導を介してin vitroでヒト口腔癌細胞に対する細胞毒性効果を高めたが、細胞増殖の阻害は認められなかった。
口腔癌
金ナノ粒子併用の放射線療法は、放射線抵抗性を示す難治性の口腔癌患者に対する新たな治療法として期待される。またナノ粒子表面に口腔癌でも分子標的薬として臨床応用されている抗EGFR抗体などの生体分子を修飾することでより強い口腔癌細胞に対するターゲッティング機能を付与することが可能になると共に、これまでにないin vivoナノイメージングへの展開も期待される。