本研究では、エピジェネティクスを標的とする新規歯周治療薬を開発すること目的とした。その結果、歯周炎モデルマウスにおいて、DNAメチル化阻害剤であるDecitabineは歯槽骨吸収を抑制し、破骨細胞の活性化も抑制した。また、細胞実験において、Decitabineは抗炎症性サイトカインの mRNA発現を亢進させた。その一つの要因として、転写因子KLF2 に着目したところ、DecitabineはKLF2発現を亢進させ、KLF2が抗炎症性サイトカインを亢進させた。以上より、Dcitabine は転写因子KLF2を介して炎症を制御することで、歯周炎モデルマウスの骨吸収を抑制する可能性が示された。
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