研究課題/領域番号 |
16K20779
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
武田 佳子 三重大学, 医学部, 助教 (80581199)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 乳房再建 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、乳房再建術を受けた乳がん患者が抱える①療養上の問題の抽出②再建方法ごとに患者のサポートニーズの明確化③サポートニーズの継時的変化を明らかにすることである。 研究開始の初年度に、海外の文献を中心に検討をし、概要や傾向を検討した。術式にかかわらず、乳房再建術を受けた患者の多くが再建された乳房に関して、大きな不満やサポートニーズを持たず経過していることがわかった。 昨年度までの研究で、本研究計画の申請時、腹直筋皮弁法の手術を受けた者を対象者に含めていたが、研究協力施設での実施状況をから、当初に計画していた腹直筋皮弁法の手術を対象から削除した。しかし、今まで手術設備や専門医の確保の課題から症例数が非常に少なく、除外していた深下腹壁動脈穿通枝皮弁法が実施される状況に変化しており、研究協力施設での調査が可能になったため、深下腹壁動脈穿通枝皮弁法を受けた患者を対象に加えることとした。 また、研究協力依頼施設の研究者との検討の過程で、乳房再建後の段階で問題を抱えた患者は、手術準備の段階で撤回したり、再建後のフォローの段階で来院しなくなるなど、フォローの継続に問題が生じることがわかった。特に人工乳房を用いた再建術において、がん治療と再建乳房への医療処置を受ける場が分離されている場合、何らかの問題が生じた時、がん治療は継続するが乳房再建への対応が再建完了と掲げる段階に至らない状態で治療終了となってしまう可能性が高いことがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
乳房再建術を受けた乳がん患者が手術後、どのようなサポートを必要とするか、その全体像を把握するため本研究の計画を立案した。研究開始の初年度に、海外の文献を中心に検討をし、概要や傾向を検討した。乳房再建術を受けた患者の多くが再建された乳房に関して、大きな不満を持たず経過していることがわかった。また、研究協力施設への研究協力依頼の過程で、乳房再建しても問題が生じる可能性が高い患者は、手術準備の段階で撤回したり、再建後のフォローが十分できなくなる問題があることがわかった。 本研究は、研究協力施設を複数と設定しており、他施設で調査を予定すると形成外科医の在籍や実績により実施される術式が異なるため、研究目的に合致した対象の選定の検討をしているため、研究進捗は停滞している。また、研究者が所属する施設の倫理システムの変更により審査に時間を要した。研究者が所属する施設の倫理システムの変更により審査に時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
前年度は、研究者が所属する施設の倫理システムの変更により審査に時間を要した。また、それに準じて研究協力施設への倫理審査への申請に影響した。研究期間を延長し、研究目的に応じた対象数にインタビューできるよう検討する。また対象を再検討し、乳房再建術を受けた乳がん患者が必要とするサポートを明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究者が所属する研究施設の倫理審査委員会の停止と倫理申請システムの変更により、研究開始が遅れている。また、研究対象となるものが少なく、リクルートの段階で研究が停滞している。そのため、調査の使用する予定の金額に差異が生じた。研究の延長申請を行い、期限内に研究が遂行できるようにする。
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