本研究の目的は、親の介護を担う労働者の勤務継続要因について明らかにすることである。介護離職した5名と、介護を担いながら働く労働者6名を対象にインタビュー調査を実施した。 介護離職した対象者らは、仕事と介護の両立にもどかしさを感じており、それを解消し介護に長期的に適応するために離職する決断を下していた。介護を担う労働者は、仕事と介護と生活の調和を図るためには柔軟な対応がとれる環境整備が大切だと考えていた。 産業保健専門職は、対象者の思いに寄り添い、自己決定を支える支援を行うと共に、関係部署と連携し、仕事と介護の両立が可能な職場環境の整備に取り組む必要性が示唆された。
|