OR7C1は癌幹細胞特異的に発現する分子として同定され、癌病態増悪化への関与が示唆されている機能未知のGPCRである。本研究では、OR7C1の癌生物学における機能を明らかにすることを目的として、OR7C1遺伝子欠損細胞株(KO)を樹立し、野生型細胞株(WT)との比較解析を行った。結果、KOでは、in vivoにおける腫瘍形成能および転移能の減弱が認められた。またin vitroにおける細胞増殖能を検証した結果、糖および特定のアミノ酸に依存して、細胞増殖能の抑制が認められた。以上の結果から、OR7C1は癌細胞におけるエネルギー代謝において重要な役割を果たしていると考えられた。
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