昨年度に引き続き、かたちの見本帳に掲載するかたちのサンプルの収集、およびその仕分けと単純化の処理を実施した。 サンプル収集に関しては昨年度までに当初予定していた数は確保しているが、バリエーションをより豊かにして見本帳としての機能性を充実させるため、今後も引き続き継続する。アートやデザイン系の図録をはじめ、展覧会や野外彫刻などの現地調査から引き続きサンプルとなるデータベースの拡大を図った。 今年度は形の見本帳の具体的な活用場面を改めて検討し、当初計画していた3Dモデルの採用をやめて等角図による表現に変更することに決定した。各種サンプル写真のグラフィックデータ化を順次進めている。具体的な作業としては、撮影した写真を元にその立体の特徴的な要素に焦点を当て、その構造がわかりやすく伝わるように一定のデフォルメを加えつつ、全て線描でデータ化している。輪郭線の線描のみで立体感が伝わる形式を想定しているが、陰影をつけた面的な表現の方がより構造を理解しやすい可能性もあるので、これについては今後サンプルデータの数が一定数に達したところで実際にキーワードで絞った作品群を並べつつ、見え方を確認して有用性を判断する必要がある。描線のもととなるモチーフの立体作品にはそれぞれ複数の特徴があるため、場合によってはその特徴が明快に伝わる角度からの描画を改めて作成することで、一つのモチーフから複数のグラフィックデータを得られるようにしている。
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