我々は、同種造血幹細胞移植後に、ドナー造血を維持しながらも、骨髄不全を呈する患者(ドナー由来骨髄不全症候群)を4症例同定することに成功した。本研究は、ドナー由来骨髄不全症候群患者の臨床検体を用いて、骨髄不全症候群が発症する分子生物学的な病態を明らかにすることを目的とする。全エクソン解析を行ったところ、体細胞変異は各症例5-10個程度確認され、それぞれの変異のアレル頻度は約5%程度と非常に低かった。4例のみの解析であるが、上記結果は全症例に該当することから、低アレル頻度の体細胞変異を伴うクローナルな造血が本疾患の一つの特徴であることが示唆された。
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