共鳴軟X線散乱を用いて遷移金属カルコゲナイドの示す相転移と超伝導に関する電子構造研究を行った。Ir1-xPtxTe2の研究では低温での電荷秩序の周期が5倍、8倍及び6倍と様々に変化することを見出した。またAFe2Se3の研究では、CsFe2Se3においては磁気秩序による散乱のみが観察されるが、超伝導に近いBaFe2S3においては、磁気秩序と軌道秩序が共存するが、散乱信号はエネルギーと偏光の両面で分離できることを明らかにした。さらにSPring-8 BL-07LSUにおいて、国内初の時間分解共鳴軟X線散乱/X線磁気二色性測定装置システムが完成し、CsFe2Se3等の光誘起相転移の測定に成功した。
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