研究課題/領域番号 |
16K21057
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
齋藤 夕貴 金沢大学, 医学系, 技術職員 (70732436)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | オレキシン / 5HT1A / セロトニン / 睡眠 / 覚醒 |
研究実績の概要 |
ストレスによる過覚醒やREM睡眠の変化にはセロトニンの機能低下が関係していると言われているがその詳細なメカニズムは未だ解明されていない。覚醒状態の維持に必須であるオレキシンニューロンと、セロトニンに着目し、どのようなメカニズムでオレキシンニューロンがセロトニンによる影響を受けるのかを明らかにする目的で本研究を遂行した。 今年度は新たに作製した5HT1A-floxマウスをオレキシンニューロン特異的にCreが発現しているOrexin-Creマウスにかけあわせ、ニューロン特異的に5HT1A受容体を欠損させたコンディショナルKOマウス(ox5HT1ARKOマウス)を作出した。組織学的および電気生理学的にこのマウスにおいて5HT1A受容体がオレキシンニューロン特異的に欠損していることが示された。また、ox5HT1ARKOマウスの平常時の脳波および筋電図を測定し、それぞれを覚醒・NREM睡眠・REM睡眠に分類したところ、コントロール群と比較して暗期のNREM睡眠量が有意に増加していた。また、神経活動のマーカーであるFosの発現量を指標としてオレキシンニューロンの神経活動を定量化したところ、オレキシンニューロンに発現するFosの減少がみられた。 これらの結果から、オレキシンニューロンに発現する5HT1A受容体はオレキシンニューロンの活動レベルを適切に保つことで覚醒および睡眠の恒常性を維持していると推定される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平常時におけるox5HT1ARKOマウスの脳波解析は順調に進行した。 現在、次年度の計画である拘束ストレス負荷について予備実験を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
オレキシンニューロンに発現する5HT1A受容体がストレスに対する応答に関与しているかどうかを検討するため、このマウスに拘束ストレスを負荷し、解放後の脳波解析を行う。さらに、Fosを指標とした免疫組織化学的手法を用いて睡眠覚醒に関与するニューロンをそれぞれ観察し、ストレスによる過覚醒の神経回路を明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
購入した物品の価格変更により差額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
試薬等の購入に充てる予定である。
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