研究課題
【摘出脈管内腔へのナノ粒子の灌流システム・動態イメージング解析システムの確立】これまで構築してきた1)リンパ管の自発性収縮に伴う径変動や振幅・頻度を経時的に長時間追尾し計測し記録する実験システム、2)内腔に流れるナノ粒子を高感度高FRハイスピードカメラで可視化し動態を解析する摘出リンパ管灌流システム、3)灌流後のリンパ管組織切片を作製しリンパ組織に与える影響を組織学的に評価する実験系を総合して用い、ナノバイオマテリアルの生体内安全性を評価するシステムを最終的に確立した。【脈管生体反応の解析】①ナノ粒子のリンパ管内移動に関するイメージングおよびその評価:前年度に引き続き粒子状CNH、繊維状CNTに加えて、カーボン以外の物質としてAgナノ粒子を比較に用いて解析を行った。3種のナノ粒子の分散状態のサイズ・電荷・構造等の評価を行い、溶液種・超音波出力・濃度等の好分散条件を決定できた。リンパ管内灌流させた3種のナノ粒子の動態をハイスピードカメラで撮影し各種粒子の動きを可視化することに成功した。②リンパ管自発性収縮に与える影響:前年度までに構築してきた摘出リンパ管の自発性収縮に与える影響を薬理学的に評価する方法を用いて、3種のナノ粒子が管に到達直後自発性収縮や直径、動きを変化させる影響の違いを捉えることができた。【脈管細胞レベルでの影響の組織化学的解析】③リンパ管内壁との相互作用の評価:これまで確立してきた灌流後のリンパ管を組織化学的に評価する方法を用いて、さらに電子顕微鏡学的にリンパ管内皮細胞内への粒子接着および取り込みを詳細に明らかにすることができた。In vivoリンパ微小循環流量定量およびイメージング法の確立に関しての研究は、成果をまとめ学会発表および論文投稿しアクセプトされた。さらに現在、当研究課題の最終成果を論文発表準備しており投稿前の段階である。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件)
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