洋上風力発電事業を推進する上で、海域の既存利用者である漁業関係者とのリスクコミュニケーションが求められている。本研究では、リスクコミュニケーションにおいて、専門機関が果たすべき役割に着目した。第一に、海外の先行事例のレビュー調査、インタビュー調査を行ったところ、学際的な研究が求められていることが示唆された。第二に、新潟県村上市、長崎県五島市の事例研究から、専門家の役割として①漁業関係者のニーズに合わせた調査設計、②経済振興を考慮した助言が挙げられた。第三に、専門家がそのような役割を果たす上では、再生可能エネルギーを主幹する部署の自治体職員の後方支援や分野別協議会の設立が有効であると考えられた。
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