研究課題
若手研究(B)
本研究では、研究課題(1)として、機能的磁気共鳴画像法によって色彩調和判断に関わる脳領域を抽出し、次に研究課題(2)として記憶に関わる脳活動の変化を、脳磁図(MEG)を用いて計測する。研究期間中に得られた結果より、色彩刺激の記憶にも深く関わる前頭前野は、色彩調和判断に欠くことのできない脳領域であることがわかった。また、不調和配色に反応する扁桃体は、MEGによる信号源推定の信頼性が低く、前頭前野と同時に評価するためには技術的な進展が必須であり、さらなる研究が必要である。
認知神経科学
本研究の成果は、ヒトが物の価値をどのように決めているのかという価値判断に対して示唆を与えるものである。また、MEGを用いた脳機能研究を進める中で共同研究が立ち上がった。MEG計測においては、頭の動きがあるとデータの信頼性を損なうため、頭部運動を極力抑えることが求められる。計測中に頻発するこの問題を解決に導く技術を開発し、共同で特許申請を行うことができた。