本課題では,到着客に対して受付期間がある離散時間型の単一窓口待ち行列モデルにおいて,各客が自身の待ち時間の最小化を目的として行動した場合について,均衡を実現する到着時点分布の数値計算アルゴリズムを導いた.数値実験から,サービス時間分布のばらつきが,受付期間の特に初期における到着確率の増加を招くことを示した.さらに,各客が経験に基づき到着時点分布を逐次修正するシミュレーションモデルを提案し,理論解との数値比較も行った.シミュレーションの到着時点分布は厳密には理論解と一致しないが,初期時刻の到着確率の高さ,サービス時間のばらつきが待ち時間に及ぼす影響,などは理論解と同じ傾向を示すことが観察された.
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