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2018 年度 実施状況報告書

地理情報システムを用いた古代日本における移動コスト算出の基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K21715
研究機関独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所

研究代表者

清野 陽一  独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 研究員 (10721269)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワード考古学 / 日本史 / 地理情報システム(GIS) / 古代交通 / オープンソースソフトウェア / フリーソフトウェア / 人文社会情報学 / 歴史地理学
研究実績の概要

研究3年目となる本年度は、平安京から美濃国府までの実地調査(フィールドワーク)をおこない、移動に関する基礎的データを取得することができた。美濃国府までのルートを選択した理由は、実際に古代の人々が歩行したであろうルートを復元する上で、海岸線等の歴史的な変化により、ルートが変更されたり、復元できなかったりする恐れが少なく、また、古代交通史研究の成果を参照することによって、確実性の高いルートが復元できるルートだからである。復元されたルートを可能な限り忠実にたどりつつ、GPS機器等を用いて記録を取りながら歩いた。これにより、人間の移動の際に、時間の経過や地形の変化によってどのように負荷が変化するのかを知ることができた。
今年度の成果としては、業務と関連して、年度中にこれまでの研究成果やそれに関連する成果を発表する機会があり、一般への研究成果の公開も含めて、社会への研究の還元ができたと考える。具体的には、所属組織の一般向けコラムにおける発表や、展示補助装置の開発などである(研究成果欄参照)。また、地理情報システムに関わる分野としての研究成果の一部は、関連する学会などでも発表した。
デジタル写真測量技術の活用についても、引き続き、業務との関係も含めて、何度も実施する機会があり、技術習得を進めることができた。また、そうして得たデータに基づき、「自由」で「オープン」なデジタル写真測量ソフトウェアと商用ソフトウェアの性能比較検討も続けている。今後はこうして取得したデータを地理情報システム(GIS)上でハンドリングし、空間分析の基礎データとして活用できるように検討を進める予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

昨年度同様、研究の進行はやや遅れている。複数回の実地調査をおこない、結果をまとめて予備的な発表をおこなう予定であったが、本来の業務量が非常に多く、本研究へ割けるエフォートが低下してしまった。

今後の研究の推進方策

本来業務に影響を与えないよう配慮しつつ、本研究の研究時間を捻出できるように努力する。
当初予定していた実地調査を十分な量おこない、分析に必要な基礎的データを速やかに取得するよう努める。また、得られたデータを元に、分析をおこない、研究成果の発表も進めていきたい。また、可能であれば、自由でオープンなGISソフトウェアの扱い方についても講習会などを開催して、その普及に努めたい。

次年度使用額が生じた理由

本来予定していたフィールドワークの回数に満たなかったこと、海外学会等への参加が出来なかったこと、また計画案にあった講習会なども開催できなかったため、次年度使用分が発生した。研究を着実に実行に移し、調査や発表、社会還元をおこなっていきたい。

備考

展示表示機器である「地図・空中写真・古絵図表示システム」を開発した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018 その他

すべて 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] 編年時間参照系モデルを活用した編年定義間の不整合箇所抽出法について2018

    • 著者名/発表者名
      村尾 吉章, 森本 晋, 清野 陽一, 藤本 悠 , 玉置 三紀夫
    • 学会等名
      地理情報システム学会第27回学術研究発表大会
  • [備考] 「自由(フリー)」と「オープン」で広がる新たな世界

    • URL

      https://www.nabunken.go.jp/nabunkenblog/2018/10/20181018.html

URL: 

公開日: 2019-12-27  

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