コモンズは、地域自然資源の持続可能な管理利用制度であるとして、近年、世界的に注目されている。コモンズ研究の世界的潮流は、ノーベル経済学賞受賞者のオストロムらの研究に代表されるように、コモンズの過剰利用をいかに回避できるかという、ハーディンのコモンズの悲劇論に端を発するものであった。 しかし、先進工業国のコモンズで問題となっているのは、近代化や工業化の過程で、地域の自然資源が利用されなくなってしまうという過少利用問題である。本研究は、先進工業国のコモンズを分析する上で新たなアプローチを提示した点で、学術的意義及び社会的意義を有する。
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