研究課題
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)
我が国の人口構造が少子高齢化へと急速に進展するなか、社会保障政策の維持可能性、負担のありかたに関心が高まってきている。本研究では、社会保障制度の持続性を高めてゆくため、近年実験経済学・行動経済学の発展によって明らかになってきた社会的選好に注目した。社会的選好は個人と言うよりも家族の行動原理として適切であるため、どのように課税し、どのように分配すればよいのかを解明するモデルとして家族を対称とした経済モデルを構築し、最適課税、最適分配の定性的な解を明らかにした。
経済政策
本研究から得られる学術的意義は、以下の2点である。まず第一の点は、従来の経済学においてあまり注目されてこなかった「社会的選好」を有した経済モデルを構築することにより、より現実の人々の行動原理を反映させた制度設計が提案できる点である。第二の点は、課税時に生じる政府と家計の間の情報の非対称性を解決する新しいモデルとして生命科学を応用させた新しい経済モデルを構築することにより、より歪みの少ない税制度の構築を提言できる点である。