本研究は「公共財供給の制度設計に関する理論的研究」であり、現実の経済環境に即した公共財の私的供給に関する制度設計を分析対象とする理論モデルの構築とその均衡についての解析を行なうことが目的であった。本研究では、(i)分析の基本となるモデルの構築、(ii)現実に即した様々な制度設計の基本モデルへの導入及び均衡分析、(iii)基本モデル及び拡張モデルの実証的検証と政策的示唆の導出を行った。本研究の主要な成果の一つとして、失業による不確実性がある状況のもとで、最適な公共財供給を実現する財政移転制度を明らかにしたことが挙げられる。
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