水環境シミュレーションに用いる水質モデルは年々,複雑なモデルに発展する一方で,現地観測データや室内実験からだけでは,そのモデルに必要な情報を得られない状況が続いている.本研究は海洋学や気象学で先行するデータ同化技術を沿岸の水環境解析に活用する方法について体系化を図った.特に,2種類の同化法を用いて,それぞれの個性を見極めながら,活用法を検討した点が新しい.また,本研究で用いた現地観測データは比較的維持管理費が低廉なセンサーで観測できる項目であり,開発した技術は,現地データとシミュレーションにより,沿岸域の環境モニタリングを効率的に実施することを可能にする技術であると言える.
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