近年、海洋熱波により浅場サンゴが死滅している。一方サンゴ礁深場(水深30m以深)は水温がより低く一部のサンゴの避難地として期待されている。基課題では浅場サンゴの回復の可能性を探るため深場サンゴを浅場に移植したところ白化し死滅した。本研究ではその要因について国際共同研究により分子・細胞学的に明らかにした。浅場遮光ありvs遮光なしのサンゴよりも浅場遮光ありvs深場の方がより多くの異なるタンパク質を発現していた。一方、褐虫藻遺伝子型は水深間で顕著な差はなかった。以上より移植サンゴの白化は強光に加え水温など複合要因が影響していることが示唆された。現在、主要タンパク質の性質と白化との関連を検討している。
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