世界には、様々な救急医療体制・システムが存在する。救急医療体制・システムは、その国の伝統的な社会制度とも関連することが多い。そのため、詳細データなしに、救急医療システムの優劣を比較検討することは極めて難しく、また適切ではない。重症救急疾患に関わる広範囲の詳細且つ精確なデータ収集・分析により、本邦の救急医療体制・システムや治療方法の客観的検証が可能になる。 救急医療分野の学術進歩に貢献するためには、一国のみのデータベースに留まらず、救急医療システムや重症救急疾患に対する治療方法の異なる多国間比較が可能な国際データベースの解析が必要である。引き続き、継続研究が必要である。
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