研究課題/領域番号 |
16KT0088
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
伊東 早苗 名古屋大学, 国際開発研究科, 教授 (80334994)
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研究分担者 |
岡田 勇 名古屋大学, 国際開発研究科, 准教授 (00650649)
東村 岳史 名古屋大学, 国際開発研究科, 教授 (20273211) [辞退]
西川 由紀子 名古屋大学, 国際開発研究科, 教授 (70584936)
山形 英郎 名古屋大学, 国際開発研究科, 教授 (80222363)
島田 弦 名古屋大学, 国際開発研究科, 教授 (80410851)
日下 渉 名古屋大学, 国際開発研究科, 准教授 (80536590)
石川 知子 名古屋大学, 国際開発研究科, 准教授 (20632392)
藤川 清史 名古屋大学, アジア共創教育研究機構, 名誉教授 (60190013)
上田 晶子 名古屋大学, 国際開発研究科, 准教授 (90467522)
劉 靖 名古屋大学, 国際開発研究科, 助教 (60747864) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2016-07-19 – 2022-03-31
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キーワード | 東アジア / 開発協力 / 開発主義国家 |
研究実績の概要 |
コロナ禍により、海外出張ができず、現地調査を行うことはできなかった。しかしながら、計画していた東アジアの開発協力をテーマにした書籍出版のための執筆活動を継続し、2020年9月、2021年3月の2回、本科研事業参加者に海外研究者4名を加え、オンラインで執筆者ワークショップおよび出版打ち合わせを実施した。とりわけ、序章を執筆する研究代表者と、日本、韓国、中国による開発協力の総論および事例を担当する執筆者との全体概念のすり合わせに時間を使い、この作業はワークショップ以降も、メールを通じて継続している。また、途中に執筆者の交代や追加があり、各章の完成までの執筆状況には差があるものの、重要な5章分の草稿は完成している。ただし、新型コロナ感染症が世界に与える影響の大きさに鑑みて、コロナ後に変貌するであろう開発協力の様相を執筆の際に考慮に入れる必要性が生じている。 東アジア地域以外では、ラテンアメリカの開発主義国家と新自由主義の相克をテーマにしたオンラインでの研究打ち合わせ、米中による開発協力の狭間で揺れ動くフィリピン外交に関係する論文執筆等を実施した他、国際法の観点から、東南アジアの法整備支援に関わる国際協力についての書籍出版、グローバルな国際仲裁や民主化について、オンラインによる研究打ち合わせや学会報告を実施した。さらに、気候変動に関わる国際協力の枠組みについて、変貌する国際関係を視野に入れた研究発表を行った。これらを通じ、開発協力に関わる異なる地域やセクターにみられる個別の局面とグローバルな開発協力の全体枠組みがどのように関係し、どのような言説の変化を生んでいるか、さらに、それらはコロナ後にどのように変貌するかを参加者間で随時、議論し、出版する書籍の内容に反映させてきた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度に引き続き、昨年度はほぼ全時期にわたる新型コロナ感染症への対応により、研究活動に大きな影響が出た。オンラインでの打ち合わせや学会参加が可能になった面はあるものの、現地に赴くことでしか得ることができない種類の実証的なデータを収集することができなかった。また、前年度に引き続き、研究代表者が名古屋大学の副総長を務めたことにより、大学執行部としてのコロナ対応他、大学全体に関わる諸業務に時間をとられ、本科研事業の代表者として研究統括のための強いリーダーシップを発揮することが困難な状況であった。
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今後の研究の推進方策 |
2021年4月より、研究代表者は大学執行部の任期を終え、部局教員の立場に戻った。それにより、本研究事業に割くことのできる時間とエネルギーの優先順位が大幅に変わった。現在、本科研事業の総まとめである書籍出版事業を最優先事項として、国内外の執筆者と連絡をとりあい、打ち合わせを重ねている。コロナ禍の状況に鑑み、今年度も現地調査等は計画せず、執筆活動およびオンラインでの打ち合わせや研究集会の開催に専念する。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍の中、現地調査、国際会議や学会への参加等、海外出張を伴う研究活動ができなかった他、海外から研究者を招聘することもできなかった。研究成果の出版に向けた書籍執筆活動とオンラインで代替できる研究活動を中心に実施したが、それにかかる経費はわずかであった。今年度も、コロナ禍の蔓延状況に鑑み、現地調査等は計画しない。持ち越された科研費の残額は、研究成果の執筆に必要な資料や備品の購入にあてる。
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