研究課題/領域番号 |
16KT0112
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 特設分野 |
研究分野 |
複雑系疾病論
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
吉浦 孝一郎 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 教授 (00304931)
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研究期間 (年度) |
2016-07-19 – 2020-03-31
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キーワード | ヒトパピローマウイルス / ウイルスゲノム / 子宮頸がん / 変異 / コピー数 / 長期フォローアップ / 予後予測因子 |
研究成果の概要 |
子宮頸部拭い液から得られるHPVゲノムの塩基配列決定を行った。HPV全ゲノム配列情報によるクラスタリング解析とL1領域による判定とは基本的に一致する。ただし,アンプリコアでは認められなかったウイルスが認められることもあり,確認可能なウイルスにも多くの変異が入っている。頸部拭い液内のHPV量に関しては,非常にバラツキが大きい。子宮頸部異型性と判定された試料中の7遺伝子変異は,ほとんど認められない。ウイルスゲノムのヒトゲノムへのintegration部位に特異的な共通点は存在しないようである。 患者帰結の層別化のために,現状調査中である。今後,超長期的経過と上記説明因子候補との相関解析を進める。
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自由記述の分野 |
人類遺伝学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で,子宮検診時に得られる子宮頸部拭い液中のヒトパピローマウイルスの型や量と長期的な子宮頸部病変の予後との関連が明らかにできると期待している。本研究は,経過の報告となったが,10余年の経過とHPV全ゲノム情報との相関解析は,検診時にどこまで検査が必要かといった行政施策に生かせる情報である。 HPV全ゲノム情報でのウイルスの系統分類は,ウイルスL1領域のみを用いた簡易型の分類とほとんど同一で,現在の型判定法は費用対効果の点からは間違っていない。ただし,HPV全ゲノム塩基配列には変異も認められ,これら変異の病状進展に関してのインパクトを明らかにすることが今後の課題である(現在進行中研究)。
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