研究成果の概要 |
運動する真核細胞の前後極性形成に関わる細胞内シグナル伝達系が示す自己組織化現象をリポソーム内で再構成する実験系を構築した。この系の必須因子であるイノシトールリン脂質代謝酵素PI3KおよびPTENについて、酵素活性を失わずに精製し人工脂質リポソーム内に封入する技術を確立した。このリポソーム膜上でのPI(3,4,5)P3の時空間ダイナミクスを幅広い化学反応条件下でイメージング解析する再構成実験系の構築に成功した。現在までのところ細胞内で見られた自己組織化ダイナミクスの完全な再現には至っていないが、今後、再構成系を用いた必須因子スクリーニングを行うための基盤技術を確立することができた。
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