同時多発を来たした女性非喫煙者肺腺がん症例由来の非浸潤性肺腺がんと浸潤性肺腺がんに対する外科的試料10例(浸潤がんと非浸潤がん、合わせて20サンプル)を用いて50遺伝子のホットスポット変異検索を行った。その結果、10症例の内3症例の浸潤性肺腺がんにおいて、アジア人で高頻度に検出されるEGFR変異型を検出し、またTP53体細胞変異も同時に検出した。一方で、EGFR変異を初めとするドライバー変異は非浸潤性肺腺がんでも認められたものの、TP53体細胞変異は認めなかった。本研究で得られた結果は、既に報告されている欧米の結果や今までの散発症例で報告されていた遺伝子変異パターンの結果と類似していた。
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